絵仕事依頼・受託時の契約書文例

著作権の譲渡をしない版

新しくソーシャルゲーム、携帯用カードゲームを作りたい、
イラストレーターに依頼したいがその際の契約書の金銭的、法的トラブルを避けたい!
これらのご要望をお持ちのあなたへ、
著作権の譲渡をしない形式の契約書の使用をお勧めしています。
なぜなら、

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まずは以下に挙げる「理由」をお読みください。。

対価を定めない著作権の譲渡要求は違法です。

現在、イラストの原稿料のみを記述し、著作権の譲渡対価には触れない「著作権を譲渡する契約書」が 雛形等で大量に出回っています。しかし、それらの契約書の記述は、独占禁止法の第19条(不公正な取引方法の禁止)及び一般指定第14号(優越的地位の濫用)に抵触します。

(参考:wikipedia:「優越的地位の乱用」
(参考:公正取引委員会:役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針 7情報成果物に係る権利等の一方的取扱い - (2)独占禁止法上問題となる場合 参照)

法律に抵触する契約書の条文は、無効となります。
同様の契約書を利用して採用されている案件は現在も多々ありますが、 今後、そういった著作権の無償譲渡の事例が公正取引委員会に取り上げられた場合は、 ソーシャルゲーム業界内のイラストレーターへの依頼の契約書全体に影響が及ぶと考えられます。
今のうちから、不要な著作権の譲渡の要求をしないことをお勧めしています。

切り抜き(トリミング)、拡大縮小等の画像加工は許可されます。

会社の方で著作権を持っておかないと、広告用に納品された画像を加工、カードの枠にそったように画像を加工、その他トリミングや拡大縮小といった加工処理において、イラストレーターの著作権を侵害するのでは、という恐れをお持ちでしょうか。契約書本文第7条1項において、その点を許可する条文を記述してあります。

ゲームの売れ行きについて、イラストレーターからロイヤリティを請求されることはありません。

ゲームの発表以降、その売れ行きやヒットの具合によって、著作権を持ったイラストレーターから使用料を請求されるのでは、という恐れをお持ちでしょうか。本来依頼された目的での使用(例:ゲーム内画像としての使用等)がなされる限りにおいては、著作権がそのままイラストレーターに残った場合でも、追加で使用料がとられる例はありません。
ただし、当初の目的以外での使用(例:広告用として使用目的ではなかったが画像を広告に利用した/ゲームがヒットしたのでグッズへと画像を転用した/ゲームに使用する画像を掲載する目的の書籍・雑誌・ムックが作成・販売された/ヒットの結果ゲームの第2弾が作られ、無断で納品された画像を再利用、又はデザイン等を使用した、等)が認められた場合、使用料を請求される場合があります。(契約書 第10条(二次的利用))

なお、この事例はソーシャルゲーム等における例を示したものであり、小説等の挿絵やその他のイラストの 依頼例では追加での使用料等の請求も場合により変わってきます。その点はご了解ください。

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(C)御社 名義での公開を許可する条文を含んでいます。

著作権が譲渡されていなければ、必ず使用時にイラストレータの名前を表記しなければいけないのでは? または、あなたの会社の名義を使用ページにて表示出来ないのでは? というご心配がありますでしょうか。

その点をはっきりさせる条文も備えております。
まず、画像の利用・使用時に、著作権者(イラストレーター)の名前を掲載しなくともよい、という条文が記述されています。(第7条3項)

さらに、画像が使用されたWebページなどで「(c) xxxxx CO.,LTD. All rights reserved.」などの、一括で(c)表記等を許諾する条文も記述されています。(第7条5項)

(c)表記が許可されたことと、そのまま著作権が譲渡されたことは同義にはなりません。

自社発案のイラストの著作権が取得できないのがもったいないとお考えですか?

前提として、あなたの会社が「(外部/フリーランスの)イラストレーターにイラストを依頼する」という時点で、 依頼されたイラストの著作権は、その外部/フリーランスのイラストレーターに帰属します。

この事実が「もったいない」と思われるかもしれません。
アイディアは自社のものなのに、 大事なコンテンツが他人の手に奪われてしまったように感じられるかもしれません。

ですが、そのイラストレーターが著作権を保持していも、 その成果物(イラスト)をそのイラストレーターが個人的に利用できるかどうかは、 依頼者であるあなたの会社が許可/不許可の指示を出すことが出来ます。
Webでの掲載はもとより、その他印刷等の利用においても、依頼者であるあなたの会社の 指示に著作権者は従うことになります。当然、公開しないこと、という指示も出すことが出来ます。 (契約書第6条(独占的利用許諾))

また、対価を支払って著作権を買い取ることも出来ますが、買い取ることが出来る権利は
「そのイラストを使用して今後営利的な活動を続ける権利」
となります。 著作権を買い取ったとしても、「あなたの会社がそのイラストを描き、製作したこと」にはなりません。 「著作権法第59条 著作者人格権の一身専属性) 著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」

著作権を取得しなくても、そのゲーム用にそのイラストをあなたの会社だけが使用できる、という事実は変わりません。
そして、「そのイラストを利用して、今後積極的にグッズや、印刷物を制作するという企画」がない限り、 対価を支払って著作権を取得する方がもったいない、ということになりかねません。

イラストレーターとの依頼取引をより円滑に進める手助けとなります。

昨今の、稿料不払い問題等もあり、イラストレーターの間でのソーシャルゲーム業界への不信感が高まっています。 何の条件もなく「著作権は譲渡するものとする」と記載された契約書を、 「異常」ととらえるイラストレーターも増えてきており、 その記述だけでもあなたの会社の依頼が断られる一因ともなっております。

こういった不信感の中で、一番最初の依頼/取引メールにおいて
「著作権の譲渡は行われません」
といった記述があるだけでも、あなたの会社の印象を高めることは間違いありません。

依頼した原稿の完成までに、取引のメールのやり取りだけでも何度にも及びます。まずは契約書による 信頼度を高めてみるのはいかがでしょうか。

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この契約書文例の使用料は無料です。

この契約書の利用は無料です。
利用に際し、許諾も報告も求めることはありません。

この契約書の記述内容について不安がある場合は、 お近くの弁護士・行政書士にリーガルチェックをご依頼ください。 その際にかかる依頼料は各々のご負担となります。

もう一度、お勧めの理由をページの最初から読んでみますか?

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October, 2012 twitter@amatoy